裏社会との繋がりを指摘する「崩壊する介護現場」

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中村淳彦さん著の「崩壊する介護現場」読みました。

中村淳彦さんは2008年から自分で介護事業を始めた方の本になります。

マスコミの報道では、重労働や低賃金ばかりが取り上げられ、介護人材問題に関してはあまり語られることはない。ただ蓋を開けてみれば、売春に走る女性職員が多くいたり、人格障害の疑いがある「異常な人」が続々と入力したりする。私が経験した困難の一部、介護労働者の実態を報告しながら介護現場の現状を紐解いていく。

という著者が体験した介護現場の現状について書いたものになっています。  

目次

①著者の体験

②介護労働と異常な人

③介護職員と売春

④まとめ  

 

①著者の体験

著者である中村淳彦さんは自らがデイサービスを行っている時に山田(男性・仮称)という職員によって、施設内、家庭めちゃくちゃになることがあったようです。

彼は物事が思い通りにいかないことから、職員に対してパワハラを行い、著者の妻に対して「著者は浮気をしている」と嘘を話すなどによって著者の家庭に不和を巻き起こすなど異常な行動を行っていたようです。

このような経験がこの本を書く契機になったようです。  

 

②介護労働と異常な人

山田という職員の経験から介護職の現場ではサイコパスや異常な人が多くいることを指摘している。

彼らは「口他者で魅力があり、病的な虚言癖もある」ので、表面的には知的で明るい、コミュニケーション力の高い人物である。P49
介護関係者には性善説の傾向がある人が多く、サイコパスのその姿に魅力を感じて一発で騙される。人手不足でほぼ全員採用という状態だったら「求めている人がやっと来た!」と大喜びをする。何人かの中から選べる状況でも、面接官が顔を合わせて話してしまう以上、魅力を感じてしまい他の人材を断ってでも採用する可能性が高い。P49

人手不足が深刻化しており、全員採用という状態だったらサイコパスの異常な人を弾くことができず、たとえ他に人がいたとしてもサイコパス特有のコミュニケーション能力の高さからサイコパスを選んでしまう可能性が非常に高いと著者は推測している。

この人手不足から全員採用状態という問題がこれ以降に続く、売春する介護職員にも繋がり、介護現場の大きな問題であると著者は取り上げています。

また、金銭管理や約束を守るなどの社会人として守るべきことを守れない人も人手不足から採用しなければならず、その結果そのような人の面倒も見なければならない現場はますます疲弊することになると指摘しています。  

 

③介護職員と売春

介護職員の多くが売春など性風俗に従事していることを書いています。

この部分は普通の介護職員や福祉の経営者などでは書けない、中村淳彦さんならではの部分だと思います。

中村淳彦さんはこれまでに「名前のない女たち」「職業としてのAV女優」などのノンフィクション、ルポルタージュを執筆しています。これらを執筆する中で生産業などの裏社会ともパイプがあり実際にAVモデルプロダクションなどに取材できるところが、この本を中村淳彦さんならではのものとしています。

特に、知り合いが経営するAVモデルプロダクションでは所属する20名中4名が現役の介護福祉士であり25%が介護福祉士を占めていることや、あるデリヘルでは7,8人に一人が介護関係の女性という驚く数字が出ていました。

この25%という数字は普通の介護施設に所属する介護福祉士の割合と大きく変わりません。つまり、そのAVモデルプロダクションは介護施設と同じ割合の介護福祉士がいあることになります。

この数字の理由として、介護福祉士が低賃金であることや、ばれたとしても解雇される心配がないことを挙げています。 また、介護現場は人手不足が深刻化しており面接に来た人はほぼ全員採用のような施設も多いためもともと性風俗に従事している人など社会から外れてしまった人の受け皿になっていることも指摘している。  

 

④まとめ

以上のような、著者の体験、取材をもとにして介護現場の現状と今後の先のなさについて書いています。

残念ながら今後どのようにすれば良くなるということは書いてないです。

 

内容は重いですが、文体は読みやすいのでサクッと読めると思います。

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