「老人ホームをテストする」ユニットケアを考える本

岡田耕一郎・岡田浩子「老人ホームをテストする」

老人ホームをテストする

 

老人ホームについてが中心ですが、昨今の高齢分野に限らず入所施設全般に共通している部分が多いです。

 

「老人ホームをテストする」では題名の通り老人ホームのサービスをテストするための本となっていますが、そのためそのテスト項目も掲載されていますが、全77項目ありなかなか使いづらいのではと思います。

老人ホームの利用を検討している方はその中で特に注意したい箇所を見つけて老人ホームを見ることはできると思います。

現場の職員はこれをもとに自分の職場はどのような状況になっているかどこが改善点として挙げられるのかといったことに活用できると思います。

また、入所施設の実情について調べてたい方にはオススメです。本書1冊だと偏っている気はしますが、このような実情、見方もあるということは知っておいても損はないと思います。

 

また、昨今はユニットケアや新しい支援方法を導入する入所施設が増えていますが、それらの弊害について書いた珍しい本になっています。

ユニットケアはスウェーデンで実践されている取り組みで日本もスウェーデンにならって導入している支援方法です。10人以内で1つのユニット(生活単位)を作り、1つのユニットごとに専用の居住空間と専任の職員を配置することにより、家庭的な支援ができるというものです。

スウェーデンでは日本の福祉施設の2〜3倍の人員配置があり実践されていますが、日本では人員配置がそのままでユニットケアを導入しています。

その結果、サービスの質の低下などが起きていると書いてあります。

本書でも取り上げられていますが、2005年2月に石川県のグループホームで介護職員が84歳の認知症の利用者に暴行を加え殺害する事件が起こりました。グループホームやユニットケアは仕組み上、利用者を見る職員数が少なくなったりそれぞれの職員がお互いに見えない状態で支援を行う状態が多くなります。その結果、上記のような事件が発生しやすいとも言えます。

また、ユニットケアと従来型を食事介助、入浴介助、排泄介助の3点から比較して実は大きな違いはないと指摘しています。

 

個人的にはユニットケアは良い点も多いと考えていますが、本書で書いてある虐待なども実際に起きていることなのでユニットケアの短所もしっかり把握しなくてはならないと思います。

 

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